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X-Pro1のフィルムシュミレーション

Fujifilm X-Pro1の大きな売りのひとつに
フィルムシュミレーションがあります。
これはフィルム屋としてのフジの「色」に対する
拘りを示すもので、確かにこのカメラが出す色はとてもいい。
日本に限らず海外のブログでも、やはりフジの色は評判も上々。
そこで、同じRAWファイルからカメラ内現像で様々な
フィルムシュミレーションで現像し、ここに並べてみる事にしよう。

Provia
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Velvia
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Astia
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Pro Neg. Hi
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Pro Neg. Std
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まずは「標準」のProvia。
メーカーは「最も見た目に近い」と言っているモードで
確かにかなり無難な色の絵作り。
どんなシーンも無難にこなす色だけど、
景色を撮ると中間トーンのコントラストが低い印象で
全体的にどこか眠い感じの仕上がりになります。
空気の透明度はあまり高いとは言えないかな。
このシーンに限り、個人的にはProviaで撮影するなら
多少シャドウのコントラストを強めにして、彩度も上げると思う。

次にVelvia。
銀塩時代は花の撮影などに好んで使っていたフィルム。
この作例に限らず、Velviaモードはブルーを極端に強調し、
更にマゼンタも若干強めです。
カラーバランスがラディカル過ぎる感じはあるかも。
海のように青空と青い海が大部分を占めるシーンでは
まるで「青転び」した写真のようになる場合があります。
それと夕方などのシーンでシャドウの部分が真っ青に
不自然に強調される事もあるので、気を付けて使いたい。
ただ、青が大部分を占めないシーンだと鮮やかで素晴らしい色になります。
Velviaモードは特にシャドウが潰れるので、
階調を豊かに表現したい場合や、しっとりとした写真には不向き。

次にAstia。
個人的には、景色にはAstiaが一番好印象かな。
見た目の忠実度、コントラスト、彩度ともに一番バランスが
取れてるモードだと思います。
ただし、空の色はProviaの色を基本にして欲しかった。

次はPro Neg. Hi。
このモードも個人的には好きなモード。
Proviaに対してシャドウのコントラストを上げた仕上がり。
Proviaよりもメリハリがあって、作例のシーンではProviaより好きです。
ただし、赤がかなり渋い表現になるので注意が必要。
このシーンなら、Pro Neg. Hiで少し彩度を上げるといい。
暗いシーンではシャドウが潰れるので、極端に下のコントラストが上がる。
そう言う表現を意図した場合にはとても有効です。

最後にPro Neg. Std。
彩度もコントラストも抑えめの絵作り。
調べた訳じゃないけど、最もダイナミックレンジが広そう。
レタッチ耐性が高く、自分好みの色をJPEGから作るならこれで決まり。
人肌もこれが一番素直。

フィルムモードはそれぞれのシーンに合わせて選べばいいと思います。
この作例のシーンなら、Pro Neg. Hiを基本に多少レタッチすると
ボクの意図する色に近くなる。

X-Pro1の素晴らしいところは、RAWで撮影後にカメラ内で自由に
フィルムモードやその他のパラメータを選んで現像できるところ。
X-Pro1のRAWファイルはサードパーティーの現像ソフトで
まだ満足のゆく仕上がりになりにくいので、カメラで現像するのが
X-Pro1の正しい使い方です。

ただし、カメラ内の現像エンジンは
JPEGでしか書き出してくれないのが玉に瑕。
せめて14bit TIFFで書き出せるようにしてくれれば
本当に最高なんだけどな。

ちなみに下はボクがPro Neg. Hiを基本に調整した写真。
JPEGを調整して保存し直しているので、多少上にある写真より
劣化しているかも知れません。

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X-Pro1のフィルムシュミレーション(2)はコチラ
X-Pro1のフィルムシュミレーション(3)はコチラ
by blogpost | 2013-03-25 10:52 | カメラネタやレビュー